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執筆者の写真peacecellproject

夜空に響く悲しみの歌


たき火を囲むベンチで、おばあちゃんが歌を歌いだしました。

メロディに乗せた歌声は、だんだんと涙声に変わっていく…。

何を言っているのか、言葉の意味は分からないのですが、感情があふれ出ていて、すごく悲しい気持ちが伝わってきました。


おばあちゃんの背中をずっとさすっているこちらも、貰い泣きしてしまいました。

ボランティアさんがそっと横に座り、おばあちゃんの手を優しく握りました。

たき火の周りには何人もいたのですが、皆で静かにおばあちゃんの感情を共有していました。


後でボランティアの方に聞くと、

「たくさんの人が死んだけど、私は何もできなかった。」

その悲しみやつらい思いを語っていたということでした。


子供たちは震源地のガズィアンテプなどで暮らしていますが、無事だったようです。

「夫婦二人でテント暮らしをしているが、アディヤマンから離れたくない。

ここで生まれ、ずっとここで暮らし、子育ても全部やってきた。

この街がどんなにひどいことになっても、離れたくない。」と。


お話を聞かせていただいた後に、写真を一緒に撮らせていただきました。

そして、「あなたたちは今晩どこに泊まるのですか?私たちは夫婦ふたりだから、テントにスペースがあります。良かったら使ってください」と、私たちが休む場所があるのか気にしてくださいました。私たちは準備しているので大丈夫です、ありがとうございますとお断りしました。


つらい時でも他人のことを思う優しさや強さを、どの人も持っているなぁと、1ヶ月間の支援活動の中で何度も感じました。

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